日々の気づき編

老後不安の正体とは?お金を貯めること以上に大切な「心の貯金」の作り方』【FP1級ワーママのつぶやき/日々の気づき編】

こんにちは、「家計を整える・はまぐりポケット」です。

日頃からこのブログでは、身近な家計管理やライフプランの立て方について発信しています。 皆さんとお話ししたり、日々の家計と向き合ったりしていると、どうしても行き着く一つの大きなテーマがあります。

それが「老後への漠然とした不安」です。

「老後資金はいくら必要なのか」 「今のペースで貯蓄を続けていて足りるのだろうか」

そうやって将来のお金を真面目に計算すればするほど、私たちは自ずと、その先にある「健康の衰え」や「色々と不自由になるかもしれない未来」を連想し、不安になってしまうものです。

しかし先日、両親を連れて行った小さな古いお寿司屋さんで、私は「老後の豊かさの本質」を教えられる、とても素敵な出会いがありました。

今回は、そのエピソードを通じて、お金を貯めること以上に大切な「人生の資産」について考えてみたいと思います。

頑固な寿司屋のカウンターで出会った、ある老紳士

そのお寿司屋さんは、カウンターに3組も入れば満席になってしまう小さなお店でした。 板前さんは昔ながらの職人気質で、どちらかと言えば無口で頑固な印象。「静かに味わうべし」という独特の緊張感が漂う店内に、予約をされていたらしい一人の男性が入ってきました。

年齢は70代後半から80歳くらいでしょうか。 目は不自由なご様子で、入り口までは付き添いの方に、店内では店員さんに手を引かれながら、私のすぐ隣の席へと座られました。

その瞬間、お店の空気がふっと柔らかくなったのです。

「〇〇さん、いらっしゃい。今日はいい鱧(はも)が入ったから、一つ入れておきましたよ」

先ほどまで少しつっけんどんだった板前さんの声が、驚くほど温かい響きを帯びていました。どうやら今の板前さんの、さらに前の代から何十年も通い詰めている常連さんのようでした。

その老紳士の佇まいは、本当に見事なものでした。 白杖を短く丁寧に畳んで脇に置き、身なりを整えて食事用のエプロンをつける。その背筋の伸びた姿からは、大人の品格が滲み出ています。

板前さんが「次は右側に置きますね」と丁寧にネタを説明すると、紳士は「ああ、これのことだね」と手でそっと位置を確かめ、愛おしそうに口に運び、丁寧に味わっていました。

「そうか。鱧が入る季節も、早くなったものだね」

そんな季節の移り変わりを楽しむ会話が、カウンター越しに静かに交わされます。 店外では人の手を借りても、店内に入れば自分のことは自分でする。そして、目が見えないという大きな不自由さの中で、手のひらの感触、豊かな味覚、そして職人さんとの長年の信頼関係という「五感と心」で、その空間を誰よりも贅沢に楽しんでいらっしゃいました。

お金を貯めるだけでは消えない「老後不安」

その姿をすぐ隣で感じながら、私はハッとさせられました。

私たちが抱く「老後不安」の正体は、実は「お金が足りなくなること」そのものではなく、「お金があっても、体が不自由になって孤独になり、人生を楽しめなくなるのではないか」という恐怖なのかもしれません。

どんなに完璧なライフプランを立てて、1,000万円、2,000万円と老後資金を準備したとしても、年齢とともに訪れる身体的な不自由さを100%防ぐことは不可能です。

しかし、目の前の老紳士はどうでしょうか。 目が見えないという大きな不自由さを抱えながらも、お気に入りの場所(サードプレイス)を持ち、暖かく迎えてくれる人とつながり、今できる方法で季節の味を全力で楽しんでいました。

年齢を重ねて「できなくなること」が増えるのは自然なことです。 でも、だからといって「人生を楽しめなくなる」わけではないのだと、紳士の真っ直ぐな背中が教えてくれました。

本当の老後資金とは「人生を楽しむ姿勢」

家計を整え、将来に備えることはもちろん大切です。それは選択肢を広げ、安心の土台を作るための「目に見える資産」です。

しかしそれと同時に、

  • 自分の足で通える、お気に入りの場所を作る(サードプレイス)
  • 年齢に関係なく、通い合える人間関係を育む
  • 今ある環境の中で、好きなことを目一杯楽しむ「心の感度」を磨く

こうした「目に見えない資産」を今からコツコツと貯金していくことこそが、本当の意味で老後不安を解消してくれるのではないでしょうか。

「家計を整える」ことのゴールは、お金を貯めることではなく、その先にある人生を安心して豊かに楽しむことです。

皆さんは、これからの人生に向けた「心の貯金」、どんな風に始めてみたいですか?

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「お金の話題をもっと身近に」をテーマに発信。働きながら、子育てしながら、家庭・お金・投資・日々の気づきを綴ります。【投資・お金編】【家庭・ワーママの悩み編】【日々の気づき編】シリーズ化しながらお伝えします。ずぼらなワーママ・FP1級・元銀行員・現事務職・小学生2人と夫の4人暮らし