こんにちは。
先日、家族で少し遠出してドライブを楽しんできました。その途中に立ち寄った道の駅で、とても心に響く出来事がありました。
それは、FP(ファイナンシャルプランナー)として日々「お金」に向き合っている私にとっても、「価格と価値」の本質を改めて考えさせられる経験だったのです。
1. 「趣味じゃない、仕事です」というプロの流儀
道の駅の広場では、大道芸のパフォーマンスが行われていました。 軽快なフリートークと、思わず息を呑むようなプロの技。
最近、我が家の子どもたちは「けん玉」にハマっており、皿の上に玉を乗せることさえ苦戦しています。その難しさを知っているからこそ、次々と技を成功させる大道芸人さんの凄さが、子どもたちの心にも真っ直ぐに届いたようでした。
パフォーマンスの最後、その方は観客に向けてはっきりと言いました。
「僕はこれを趣味でも遊びでもなく、仕事としてやっています。価値を感じてもらえたなら、お札が欲しいです」
この言葉に、私は深く納得しました。「ボランティア」や「善意」という言葉に逃げず、提供したパフォーマンスという**「価値」に対して、相応の「対価」**を求める。そのプロとしての潔い姿勢に打たれたのです。
私は、子どもに1,000円札を持たせ、箱に入れてきてもらいました。
2. 劇団四季12,000円と大道芸1,000円の比較
ここで、少し「お金の計算」をしてみましょう。
例えば、劇団四季のような一流の舞台なら、S席で12,000円ほど。 一方、今回の大道芸への投げ銭は1,000円。
この10倍以上の価格差は、どこから来るのでしょうか?
- 劇場の維持費や照明・音響設備
- 多くのスタッフの人件費
- 豪華な衣装や舞台装置
提供側の**「コスト(原価)」から逆算すれば、12,000円という価格は極めて妥当です。 しかし、受け取り手が感じる「感動の総量」や「満足度」という価値(バリュー)**に、10倍以上の差があったかと言えば、決してそんなことはありませんでした。
3. 私たちは「相場観」に縛られていないか?
私たちは無意識のうちに、「大道芸なら小銭」「映画なら2,000円」といった世間の相場観を正解だと思い込んでいます。
しかし、今回の件で気づかされたのは、価格は「提供側の事情」で決まり、価値は「自分の心」が決めるというシンプルな事実です。
家計管理や資産形成においても、この視点は非常に重要です。
- 「みんなが買っているから」という相場観で選んでいないか?
- その出費は、自分にとって「1,000円以上の価値」があるものか?
世の中が決めた価格設定(プライス)に振り回されるのではなく、自分自身の「価値のものさし」で納得してお金を払うこと。それが、本当の意味で豊かなお金の使い方に繋がるのだと感じます。
まとめ:価値を見極める目を持つ
1,000円を箱に入れたとき、子どもたちは素晴らしいものを見せてもらったという誇らしげな表情をしていました。
「生きたお金」とは、こうした納得感を伴う支出のことを指すのでしょう。 皆さんも、日々の買い物や投資の中で、「これは価格以上の価値があるか?」と自分に問いかけてみてください。
「相場」という眼鏡を外したとき、今まで見えていなかった新しいお金の世界が見えてくるかもしれません。