はじめに
2026年4月27日。日経平均株価が終値で60,537円という歴史的な最高値を更新しました。 ついにやってきた「6万円時代」。新NISAなどで最近投資を始めた方にとっては喜ばしいニュースですが、私の胸には少し複雑な記憶が去来しています。
それは、私が銀行に入行した2008年、リーマンショックの記憶です。
1. 2008年の衝撃:窓口に吹き荒れた「クレームの嵐」

yahooファイナンスより。日経平均株価の推移(2008年〜2026年)
私が銀行員としてのキャリアをスタートさせたのは、まさに世界的な金融危機の真っ只中でした。 当時は「グローバル・ソブリン(グロソブ)」などの投資信託が非常に人気でしたが、相場が急落するにつれ、窓口は連日厳しい状況に。
- 「こんなに損をするなんて聞いていない」
- 「銀行が勧めたから信じたのに」
激しいクレームの中で、当時の私には「いつか相場が回復する」というイメージは全く湧きませんでした。資産運用の難しさと怖さを、身をもって知った原体験です。
2. 「8,000円台」を知るからこその心理的ブレーキ
その後、日経平均は8,000円台まで沈みました。 数年後、株価が1万円台に回復した時、世の中には少しずつ明るい兆しが見えていました。しかし、どん底を知っている私はこう思ってしまったのです。
「8,000円を知っているから、1万円ではもう買いたくない」
今、右肩上がりの10年チャートを見れば「絶好の買い場」だったことは明白です。でも、投資心理の渦中にいるときは、どうしても目先の数字に縛られてしまう。これはプロであっても陥る「罠」だと言えます。
3. 日経平均6万円時代、今私たちがすべきこと

今回の最高値更新を受けて、「今から始めても遅いのでは?」「暴落が怖い」と感じる方も多いでしょう。FP1級の視点から、この歴史的節目に意識したいポイントを3つ挙げます。
- 一喜一憂しない仕組み作り: 予測は外れるものです。だからこそ、積立投資などの「仕組み」で淡々と継続する。
- リスク許容度の再確認: 株価が高い今こそ、暴落が来ても生活が壊れない現金の比率をチェックしましょう。
- 「後悔」を「学び」に変える: 「あの時買えばよかった」という後悔は、次のチャンスを掴むための貴重なデータになります。
まとめ:大切なのは「自分軸」の家計管理
18年前、窓口で怒号を浴びていた私に「2026年には6万円になるよ」と言っても、きっと信じなかったでしょう。 株価は予測できませんが、家計管理と自分の資産配分は100%自分でコントロールできます。
「SHIO FINANCE」では、これからも生活者の視点を大切に、地に足のついた情報を発信していきます。